「生物学の常識を覆す画期的な成果」として世界を驚かせた発表から2カ月。新たな万能細胞・STAP細胞の論文について、理化学研究所の調査委員会が1日、改ざんと捏造(ねつぞう)の「研究不正行為があった」と断じた。ただ、STAP細胞が存在するかどうかははっきりしないままで、真相究明には遠い。 調査委員会の記者会見は東京・両国で午前10時半から始まった。会場には約300人の報道陣が集まった。論文の著者である理研発生・再生科学総合研究センター(CDB)の小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダーらは姿を見せなかった。 報告書の内容を説明した石井俊輔委員長は「不正行為は(小保方氏)本人ひとり。不正行為はあってはならないのが研究者の世界の常識」と話した。 記者からは「STAP細胞が存在するのか」との質問が繰り返されたが、石井委員長は「科学的な研究探索が必要で、この調査委員会の目的ではない」と述べるにとどまった