東京電力福島第1原発事故の影響で本格的な漁の自粛が続く福島県沖で、試験操業の際に網にかかる魚の重量が事故前の約2.5倍に上るとの調査結果を、県水産試験場(いわき市)がまとめた。相馬沖では2年連続で、いわき沖でも初めて確認された。試験場は「漁の自粛による資源の増加が明確になった」と指摘している。 試験操業で底引き網漁船が1時間当たりに漁獲した重量を、原発事故前3年の平均と比較した。 相馬沖では、原発事故前の87キロに対し、2012年漁期(12年9月~13年6月)が233キロ、13年漁期(13年9月~14年6月)は215キロに上った。13年10月に試験操業を始めたいわき沖では、事故前は79キロで、13年漁期が189キロだった。 14年9月の相馬沖での試験操業では、マガレイが、原発事故前は漁獲が少なかった水深120メートル以深でもまとまって取れた。県水産試験場は「資源が増え、分布領域が広が