人手不足が深刻化する中、今、各企業がシニア世代に熱い視線を注いでいます。「80歳定年制度」を導入する企業も現れるなど、高齢者を積極的に雇用する動きが全国各地で広がっているのです。日銀短観で人手不足感が25年ぶりの水準まで高まり、今後ますます必要とされるシニア世代の活用について考えます。 (経済部記者 小田島拓也 甲木智和/札幌放送局記者 川瀬直子) 全社員の約30%が65歳以上という企業が静岡県磐田市にあります。パイプ加工業「コーケン工業」で、社員270人ほどのうち76人が65歳以上です。 この会社がシニア世代の採用を始めたのは約30年前のバブル景気がきっかけです。当時は景気が過熱し、まさに猫の手も借りたいという状況となり、新聞の折り込みに「募集 健康なおじいちゃん!おばあちゃん!」というチラシを挟んで募ったと言います。 それ以降、従業員は60歳を過ぎても、希望すればずっと働くことができる