「治せる認知症」と呼ばれる「特発性正常圧水頭症」という病気がある。近年は患者の心理的な負担などが少ない手術が注目を集めている。いったいどんな人が受け、どのような効果があるのだろうか。 元教授、認知症に悩む 北里大教授だった白鷹増男さん(73)が自分の異常に気づいたのは定年退職後に専門学校の責任者として働いていた2012~13年。会議での重要な発言をまったく覚えていなかった。同僚に指摘されがくぜんとした。もの忘れが多くなるだけでなく、身体面でも異常が続いた。風呂上がりに片足たちができず下着を着るのにも不自由した。 専門学校を退職後、散歩中に止まろうとしても、足が止まらず体が前かがみになるようになった。坂道では止まれず、下ってしまうこともあった。 白鷹さんは、健康科学の教授で、授業でも認知症を扱うことがあった。自分の状況について「アルツハイマー型認知症などとは違う」と感じていた。 17年1月、