近い将来の大震災に備えるために 真っ赤なボディに、いかついフロントマスク。 大きなクローラー(無限軌道)がついた大型の車両が2台連結されている。 どんな場所にでも乗り込んでいけそうなたたずまいが、頼もしく見える。 普段は愛知県岡崎市消防本部のガレージに鎮座する、レッドサラマンダー。「サラマンダー」とは、四大元素を司る精霊のうち、“火をつかさどるもの”という伝承が残る。実在の生物では、両生類の一種のことで、日本ではサンショウウオとされることが多い 正式名称は「全地形対応車」、通称「レッドサラマンダー」。 大規模災害発生時、通常タイヤだけの車両では走行が難しい場所に乗り込み、さまざまな救助活動をするために総務省消防庁が配備した、特殊消防車両だ。 きっかけは2011年3月11日に東日本全域を襲った、東日本大震災にある。未曾有の災害に対応するため、警察、自衛隊、そして消防の隊員たちが日本全国から集