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ブックマーク / d.hatena.ne.jp/dame_kana (11)

  • デレク・ジャーマンの庭 - いかすみ万年筆

    見聞記, 写真 イングランドのほぼ南東端にある海辺の村、ダンジェネス。海辺と湿地に囲まれながらも非常に乾燥した地帯で、英国唯一の砂漠と認定されている。しかしそこにあるのは砂ではなく、一面に広がる玉砂利。海岸の地理的条件と人為的作業により、膨大な玉砂利がダンジョネスに敷き詰められている。自然にも恵まれ、野鳥や昆虫、植物の貴重な自然保護地帯にもなっている。 海岸沿いの道に点在する木造平屋の家々。その風景は典型的なイングランドの石作りのコテッジからは程遠く、映画のシーンのような寂びたパノラマは、よそ者の訪問客に感嘆と困惑を同時に呼び起こす。それぞれの家の周囲には冊が無い。この国の都市部では考えられないことだ。住民達は家屋周辺に草花を植えたり、気ままにオブジェを置いたりして、簡素な庭を構成している。隣人との距離感がバランス良く取れている、ボーダーレスなヴィレッジ。そのうちの一軒が映画監督、デレク・

  • I♡断面図 - ロココの足袋

    藝術 子供の頃は嫌いで親を心配させたものだが、図鑑は大好きだった。特に建造物の断面図。クルーズ客船など「こんなところにレストランが!プールが!劇場が!」と中身の構造と小さな人達を毎日のように眺めていた。 そんな筋金入りの断面図萌えの私のお気に入りは、1950年代に商業イラストレーターとしてアメリカで活躍していたFrank Soltesz(フランク・ソルテツ)である。現代の断面図王は、Stephen Biesty(スティーヴン・ビースティ)。ビースティのも見ていてとても楽しいけれど、広告黄金時代の匂いがプンプンするポップなソルテツのイラストレーションは特別だ。 下の作品はARMSTRONG'S INDUSTRIAL INSULATIONという、空調システムの会社の広告のシリーズ。 冷凍品工場。 ホテル。 劇場。 水産漁港。 病院。 パン工場。 冷凍オレンジジュース工場。 ビール工場。

  • プラッと市場へ - ロココの足袋

    見聞記 ここ数日引きこもって仕事をしていた憤を晴らす為に、天気も良さに釣られてボロー・マーケットへ。でもまだ寒かった! 寒いから少しは空いているかと思ったけれど、毎度の如く大混雑。ロンドナーのい意地が集結という感じ。みな買う!喰う! 英国が誇るチェダーチーズさん達。直径約40センチ。鈍器にもなります。 チーズ屋の中は、微生物に乗っ取られた異世界の匂い。もわ〜ん。 英国のべ物ばかりではなく、欧州の仲間も居るよ。コチラではフランスのお兄さんが、スパイスの利いた暖かいモールドワインを売っている。 そしてそのフレンチなコーナーでは、当たり前のようにコヤツらの缶詰が山積み。 ちょっと柄眼類の気分ではなかったので、魚専門レストランのフィッシュ・アンド・チップスをテイク・アウェイして、凍えた体を温める。一般店の二倍のお値段するけれど、その価値はある鱈の新鮮さ。衣バリバリ、芋ホクホク。衣からは仄かな

  • ハネムーン・ベイビー鉄道 - ロココの足袋

    戯言帳面 久々の更新かと思えば、唐突に新婚時代の話で申し訳ない。 傍から見ると、私たちは思いつきで結婚したような感が否めない。貯金もほとんど無ければ、具体的な将来設計があったわけでもない。出会って、稲が落ちて、一緒になった。 そんなことで、ゴージャスな新婚旅行海外に行く経済的な余裕もなく、イギリスの海辺の街で数泊過ごした。その帰り道、たまたま蒸気機関車保存用鉄道の駅を通りかかった。そこでなんとなく車を停める。専用のA駅からB駅まで、現役引退した蒸気機関車に鉄道ファンを乗せて走る。往復で一時間に満たない道のりである。私たちは堂車のチケットを買い、紅茶を飲みながら短い蒸気機関車の旅を楽しんだ。 その駅のホームには小さな駅舎があり、その中には古い、恐らく70年代に作られたんじゃないかと思わしき鉄道模型がおかれていた。シンプルな風景とループ状のレイアウトをグルグルと回る小さな列車。鉄道には興

  • ダーク・サイド・オブ・キュー - ロココの足袋

    見聞記 初夏の陽気に誘われて、再びキュー・ガーデンに行って参りました。なんでそんなに何回も行くのかというと、私は年間会員だからです。行けば行くほどお得なのです。 いつものように美しい木々花々を楽しみ、数百枚の写真を撮ってきたのですが、当は私、花の名前も覚えられないスットコドッコイなのです。なので今回は、植物園を訪問する際、私が心から会うのを楽しみにしている植物達に限定してご紹介しようと思います。 まずは虫植物。あたしゃ子供か。 さあお入り、私の蜜壷に… ねっとり、ネトネト うふふ、ピンクのマスカラが素敵でしょ そしてサボテン。サボテンも同様に好きで、以前幾つか飼っていました。大事に育てた甲斐があり、蕾のような芽のような物が唐突に生えてきたのですが、そのブツブツしたものが生理的に受け入れられず正視できなくなってしまい、泣く泣く友達に譲ってしまいました。サボテン好きでありながら、サボテンを

    kumoQ
    kumoQ 2009/05/26
    おぉぉぉぉぉぉぅぅぉおおお
  • アプリシエーション - ロココの足袋

    心の旅 いま、私に欠けているのはそれだ。 朝起きると、快晴。しかし仕事の締め切りに追われ、室内で腐っている自分には関係無いと、その青い空を見なかったことにする。日が高くなるにつれ雲も増えてきたが、程よく風がそよぎ爽やかな午前中である。その無邪気な気候はしつこく遊びをせがむ子供のようで無視しきれず、私は「しょうがないな」と溜息混じりに立ち上がり、買い物ついでにフラリと歩いてみることにした。すこし遠回りをして。 初夏。この国で最も美しい季節である。そんなことも忘れていたのか。「忙しい」と言う字は「心を亡くす」と書くんだよ、なんて常套句だけど言い得て妙。ちょっと前まで裸でギスギスしていた木々は、いつの間にか柔らかく鮮やかな緑葉を誇らしげにフサフサと揺らしている。私の住む町は決して裕福な地域ではないが、幸い緑が多く、見た目には長閑な印象がある。広場の芝生が刈られたばかりのようで、草いきれの香りが鼻

  • デイル・チフーリ@キュー(2005) - ロココの足袋

    藝術 更新したいのは山々なのですが、新鮮なネタも気力も無いので、タイムマシンにおねがいして一気に4年前へ。 2005年、アメリカのインスタレーション・アーティスト、デイル・チフーリ(Dale Chihuly)がロンドンの王立植物園キュー・ガーデンにて大規模なエキシビジョンを行った。常設の植物の展示とチフーリのガラス作品とのコラボレーションである。普段は出来るだけカタカナ使うの避けてるんですけどね。でもカタカナ列ぶとアートっぽくてイヤミな感じでしょ。 チフーリの作品は有機的で生き生きとして、自然に植物に馴染む。生け花風の小さな展示物から、息を飲むような大掛かりなオブジェまで、キュー・ガーデン内の数々の施設を利用し、訪問者達を楽しませた。私の撮った写真からはインパクトが伝わらないのが残念だけど、美しい作品の数々はチフーリのオフィシャル・サイトで見られる。また、氏の世界中で行われてきたインスタレ

  • バッジ・コレクション - ロココの足袋

    品物目録 我家では娘にお小遣いを定期的に与えてない。まだその必要ないからだ。お金が欲しければ、なにか家の為、自分の為に役に立つことを一定期間持続し、その代償として「賃金」を受け取る。その他、外出する時はポンとお金を渡す。たかだか5ポンドくらいだが。なにか欲しい物があったら、このお金の範疇内で買いなさいと。 ウチの子は、小さい時から博物館や美術館が大好きだ。ロンドンではこれらの公共の施設は無料の所も多く、親の懐にも優しい。5歳くらいからアチコチ連れ歩るきはじめただろうか。彼女は展示品を見入り、説明を読み、座り込んでスケッチをする。もう親は疲れて帰りたいのに、飽きること無く何時間でも居座ろうとする。もう住んでしまえ、と言いたくなるくらい。 そんな彼女の博物館訪問の〆はギフトショップである。そこで必ず買うのは記念のバッジ。予算的にも余裕があるし、後で何処に行ったか思い出すにも楽しいお土産だ。バッ

  • アイドルの背 - ロココの足袋

    創作, 心の旅 別れの季節。この時期になると、思い出す人がいる。(長いよ!) 高校時代、私は一応つきあっている人がいながら、心のアイドルがいた。つきあうのと憧れるのは違うと信じていた。嫌われるのが怖くて、憧れる人とは自然に接することなどできない。ましてや触れ合う事など。なので、私は一生結婚などできないと思っていたし、したいとも思わなかった。そして私の事など生涯通じて愛してくれる人など居ないと信じていた。10代の私は、自分自身が嫌いで仕方無かった。 私達は恋人ではなく、異性の友達であり、秘密の共犯者であった。愛を語るの類いの言葉は、お互い一度も口にした事無い。仲間と一緒に登下校したり、昼休みに屋上で何するでも無くニコチン臭い風に吹かれてボーッとしたり、授業サボって神社の裏でみたらし団子べたりしているうちに、勢いで一緒に面倒くさいモノを捨てた。私は自分が嫌いだったので、そんな自分を求める相手

    kumoQ
    kumoQ 2009/03/29
    VOXの12弦欲しいなー
  • 『ある無人島漂流の物語』がセクシズムである理由 - ロココの足袋

    話題 再開早々、こんな話題で何だかなぁとも思いますが、奇しくも今日はマーティン・ルーサー・キング記念日。キング牧師の情熱と勇気を讃えるため、自由と平等に関する政治的な意見を書いてみる事にします。記念日との関係は勿論こじつけです。当は元記事に私が書いたブクマのオチャラけたコメントに思いのほか沢山スターを付けて頂き、発言する勇気を得たからです。ホッテントリーに絡むのは今回初めてなので緊張しております。 まず元記事はコチラある夫婦、そのに思いを寄せる男性、この3人とは何の関係もない男性、おじいさん。この5人が乗っていた船が難破し、無人島に流された。その過程で、夫婦の夫は行方不明となり、島に流れ着いたのは4人だった。この時点で夫の安否はわからない。夫の安否を確かめるには、船を出して捜索するしかないが、には船をつくる能力や、直す力はない。船をつくり、直すことができるのは、夫婦とは縁もゆかりもな

    kumoQ
    kumoQ 2009/01/20
    本当に実際そういう事態になったときどうするんだろ?って思ったけれど、それを他人に問うとセクハラ扱いになるのかね。「めんどくせえ」に集約されるなぁ。
  • 女の子だって落ちる場所を選びたい - ロココの足袋

    企画 えーっと、私、ミク似の14歳。もちろん処女なんですけどね。初潮は小六の夏休みに向えてますよ、フツーに。先月の生理は2週間前に始まったから、今日当たり排卵日かなー、なんて。こんな生理の話平気でしちゃう私でも女の子としての条件満たしてる? 降っても良い? じゃあ、そうねぇ、どこに落ちようかしら。どーらや落ちて最初に出会った男子と恋仲になる設定っぽいから、下手なとこに落ちらんないしね。えーっ、女の子に落ちる場所選ぶ権利なんか無いのぉ?ってウヒャー!突然降り始めるか! ふう、そんな急降下するわけじゃなかったのね。あー、でも結構速いかな、地面に落ちる時、痛いのかなぁ。やだなぁ。スカートピラピラ捲れるから、お尻押さえて降らなきゃいけないし! 月曜の朝からこんな事しなきゃならないなんて。まあ、空から振ってくる少女の宿命だしー。 そろそろ着地点が見えてきたかな。うっわー、ベタ。中学校の近くだよ。結局

    kumoQ
    kumoQ 2009/01/10
    凄く格好良過ぎる妄想力!!
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