民話やおとぎ話の中に登場する野生動物は、他の動物の赤ちゃんを傷つけたりしないのがお約束だ。しかしリアルな世界でもそれが通じるのか徹底的に検証されたことがない。人間の赤ちゃんが人喰いライオンに殺されていた、と伝えられるケースも複数ある。 しかしティッピ・ドゥグレの物語は特別だ。彼女は現在23歳。兄弟はいない。両親の名はアラン・ドゥグレとシルヴィ・ロバートといい、二人は共にフランス人の野生動物専門カメラマンだ。そして両親の職業と、彼らが仕事のためにアフリカで暮らしていたおかげで、彼女はユニークな幼少期を過ごし、驚異的な方法で野生動物と交流する機会に恵まれた。 彼女の名前は成獣のライオンを自宅でペットとして飼っていたという女優、ティッピ・へドレンにちなんだものだったが、幼いティッピもその名に違わず、早い時期から野生の動物達との間に並外れた絆を結ぶ能力を示していた。 ティッピの母親シルヴィは当時を