昼過ぎから三脚とカメラを担いで、埼玉県新座市の妙音沢へ出掛けた。崖沿いの雑木林に、目立たないが、水の豊富に涌き出る場所があり、悪く言えば陰気でじめじめしているけれど、良く言えば涼しげな空間ではある。涌き出る水にマイクを近づけて、音を拾った。制服姿の中学生たちが水に足を浸して「昨日より冷たい」と叫んだのを聞き、自分も水に手を浸してみたけれど、前日は会社で働いていたから比較はできない。いつごろ降った雨が涌き出ているのかと考える。富士山麓の忍野八海では数十年前の水が涌いているが、妙音沢なら数ヶ月くらいか。 黒目川の護岸にヘビを見つけたので自転車を降り、水辺に向かって進んでいくヘビを追いかけた。世間ではあまりよく思われていない印象のあるヘビだが、意外と円らな眼をしていて可愛らしかった。中平卓馬の写真集 原点復帰―横浜 に、やはり水辺のアオダイショウを撮ったものがあり、身を乗り出して撮影する中平の姿