今年公開予定の映画「蟹工船」(SABU監督)に、石川県七尾市の水産練り食品メーカー「スギヨ」のカニかまが小道具で使われることになった。 本物のカニそっくりの見た目が制作者側に評価された。同社は「映画のヒットはもちろん、カニかま人気にも火がつけば」と喜んでいる。 「蟹工船」は、プロレタリア作家小林多喜二の同名小説が原作で、漁場でカニを水揚げし、そのまま船内でカンヅメ加工する蟹工船が舞台。最初はカニのむき身に似た小道具を作ろうとしたがうまくいかず、制作担当者がたまたまコンビニ店に立ち寄ったところ、スギヨのカニかまが目にとまったという。 同社は撮影用にカニかま500本、70キロを無償提供。同社商品部は「長年、味や食感はもちろん、見た目のリアルさも追求してきた。映画で使われることは開発冥利(みょうり)に尽きます」と話している。