さっきまでのジリジリと焼けつくような暑さをかき消すように風が急に僕らを包んで吹き抜けていった。 急いで呼吸をするように次々と吹き抜けていく風に驚いているとあっという間に暗くなった空は陰鬱で禍々しい色の雲に覆われその一部が低く垂れ下がってきている。 突然の稲光と雷鳴。 南国の街に漂う湿った空気の匂い。 大通りの向こうから激しい雨が迫ってきたように見えたその刹那僕たちは叩きつけるような雨の中にいた。 スポンサーリンク 土砂降りの雨のなかを雨宿りできる場所を探してふたりで走り出した。 手頃な軒先きはすでに地元の人たちでいっぱいだった。 ようやく見つけた閉店後の銀行の軒下に並んで立ち激しい雨音と重く響く雷の音を聞きながら彼女の様子をうかがう。 濡れたTシャツに透ける下着のラインや脚にはりついたスカートが気になって僕はなんだか照れて横を向く。 沈黙が怖いからどうでもいい話ばかりが口をついて出てくるく