→紀伊國屋書店で購入 「小島信夫を読むためのコツ」 昨年91歳で亡くなった小島信夫の最後の作品である。はっきり言ってものすごく小島信夫度が高い。濃い。「小島初体験!」という人は『うるわしき日々』とか『抱擁家族』あたりからはじめる方が安全だろう。でも、筆者の本心としてはそこで「いやいや、折角だから、小島さんの真髄を極めましょう」と頑張ってもらえるといいなとも思うので、やや押しつけがましいのを承知で、この機会に小島信夫作品を読むためのコツについて記しておきたい。 箇条書きにすると以下のようになる。 ①変なところで笑いそうになっても、我慢しないで素直に笑うこと。 ②よくわからない部分は無理してわかろうとしないこと。作者の意図をとらえよう、などとは間違っても思わないこと。 ③急に大事なことを言うので、油断しないこと。 ④歩く場面、進み行く場面では感動すること。 以下、具体的に説明してみる。 ①変な