春先のある日、新宿の京王プラザホテルで行なわれた「100校プロジェクト成果発表会」に詰めかけた1,000人を超える先生たちの発する熱気は、遠い昔の先生たちを思い出させるものがあった。規則だらけの学校生活から逃れるチャンスをつかんで、自由の空気を吸い始めた人たちの匂いだと思う。海外からもプロジェクト参加校へ見学者が訪れ始め、教育現場の期待の星になった感じさえする「100校プロジェクト」と、中学校へのコンピュータ本格導入だった「情報基礎」授業とから、今、教育現場で起きていることを考えたい。 ◆文部官僚たちの失策 '93年度から、中学校の授業として技術家庭科の「情報基礎」領域が新設された。それまでコンピュータ教育は、各教科の先生が自分なりのアイデアで細々と実験的な試みをする程度のものだった。正規の科目として学校教育に入っただけでも大きな変革だったかもしれない。しかし、あまりにも大きくボタンを掛け