前回:【ボードゲーム批評】『カルカソンヌ』について:競争と人数【盤面は語る(第2回)】 読者諸君は「命の音」を聞いたことがあるだろうか? 心臓の音、呼吸の音……「命の音」は色々あるが、これらは身体の生命活動が音を立てているに過ぎず、機械がこれらの代替となれば違う音が「命の音」となる時代も来るだろう。そう考えると「命とは何か?」という根源的な問題が生じるわけだが、それは哲学の領域になるので専門家に任せて、今回もいつものようにボードゲームの話をしよう。 ◆『ポンペイ滅亡』は「命が軽い」ゲーム 『ポンペイ滅亡』は命の音が聞こえるゲームだ。それも、命が失われる物悲しい音が。 【Amazonリンク】 このゲームは『カルカソンヌ』の作者が製作したゲームだが、『カルカソンヌ』が希望溢れる発展ゲーなら、このゲームはタイトル通り絶望しかない滅亡ゲーだ。 本作は2つのフェイズに分けられる。1フェイズ目はポン