「たまこラブストーリー」を鑑賞。 たまこともち蔵の初々しい恋の物語を丁寧な所作と芝居で描ききった快作。 こんな気持ちになれた青春映画を見たのは久しぶりだった。 併映された「南の島のデラちゃん」のファーストカットが往年の松竹映画のパロディだが、 これは本編の「たまこラブストーリー」は往年の邦画のように作りたいという決心だろう。 そんな邦画的である事を表明する本作は、省略と抽象性を上げること、 つまりキャラクターの心情や動機を、事細かに言葉等で説明せず、 極めて淡々と物語を紡いでいた事で、往年の邦画的であろうとした作品だと感じた。 特に本作で良かったのが、物語の展開のさせ方、組み立て方、構成だ。 そこでこの記事では本作の構成、本作に登場するアイテムについて、 重要な役割を担ったキャラクター「常磐みどり」の役割について語りながら、 「たまこラブストーリー」全体を包括できるように語ってみたい。 ※