阪神初のゼネラルマネジャー(GM)に就任した中村勝広氏(63)と、今季フリーエージェント(FA)権を取得した平野恵一内野手(33)には浅からぬ因縁がある。 中村GMは6日、兵庫県西宮市の球団事務所での就任会見で「巨人に26・5ゲームも離されている。この重い数字は現場が真摯(しんし)に受け止めないといけない」とチームの再建への決意を示した。今オフのチーム編成が命運を握ることになるが、平野の去就にも注目が集まる。 2007年オフにトレード移籍した平野。実は、放出したのがオリックスの球団本部長だった中村GMなのだ。当時のいきさつを知る球界関係者は、「能力を見切られたのではなく、二塁ではなく中堅で起用された平野が『内野をやらせてほしい』と直訴し、扱いに困った末にトレードに出された」という。二塁手として“戦力外”を通告してきた相手が、今度はGMでくるとなれば平野も心中穏やかではいられないだろう。