「この曲の名前ご存知ですか?」 「いや。よく聴く曲だけど……」 「カノンです。パッヘルベルのカノン」 「カノン?」 「同じ旋律を何度も繰り返しながら、少しずつ豊かに、美しく和音が響きあうようになっていくんです。そんな風に、一見違いのない毎日を送りながら、でも、少しずつ変わっていけたらよいですよね……」 −京アニ版『Kanon』第14話より− 祐一と佐祐理さんが喫茶店で会話をするシーンから抜粋。タイトルについて言及する、おそらく唯一の例でしょう。原作ではついに語られなかったKanonの意味、正典からカノン砲までいろいろ考えられる中で、パッヘルベルのカノンを選んだことに特別な意味を見出したいと思うのは僕だけでしょうか。 タイトルへの自己言及、という点では作品は違いますが以下の台詞も非常に印象深いものでした。 「人生はゲームのようにリセット出来ないと言うけれど、本当にそうだろうか。つまずいても、