6月末で閉店する名古屋・栄の百貨店、丸栄で5月2日から「鉄道模型展」が開かれる。この分野では、地方開催の先駆けとして鉄道ファンに知られる催事だ。最終回となる今回は、半世紀以上前の丸栄ゆかりの建物のジオラマもお目見えする。 「お客さんが来る。名古屋のよその百貨店がやる前に、ウチでやれないか」。丸栄営業推進部担当課長の中井亮さん(48)は15年前、模型展の実績がある東京・松屋銀座を訪れ、盛況ぶりに目を見張った。集客が見込めると考え、模型メーカーに開催を掛け合った。 しかし、大手メーカー、カトー(本社・東京)の担当者、川崎太志さん(53)は首を縦に振らなかった。「都内で開かれる模型展を1年見てから判断してほしい」。当時、メーカーは東京と大阪で開くのがほとんどで、人口やマーケットを考えると地方開催は難しいと思っていた。 鉄道好きの中井さんは、「同好の士」の橋本宜明さん(53)=特選・生活用品・催事