苦しみの正体を考える 自分の感じている苦しさの内訳はなんなのか。ひとつには、なぜ苦しい状況にある店が支援を受けようとしないのかということだ。震災時、家族を失った人が「被災者の中には一家全員を失った人もいるから、ひとりしか失っていない自分よりもっと苦しい人がいる」と自分の苦しみを語れずにいる話を聞いてやりきれない気持ちになったが、それと同じではないか。だが、そう憤る自分こそがこの1カ月、会社員という恵まれた立場にあるのだからという理由で「苦しい」と言うことも思うことも自分に禁じていたことにやっと気づいた。やっぱり私も「自分がそんなことを言う資格はない」と思っていたのだ。 自分の店や会社がどうなってしまうのだろうかという不安もあったが、それよりも小さな本屋や飲食店を営む知人友人の苦しさを考えて苦しい、というのが、見間違いのない自分の苦しみの正体だった。そして今日やりとりした、たくさんの本屋の人