本日、2020年11月30日をもって、8年8カ月勤務した理工系出版社を退職した。明日からは出版を離れ、違う業界で働くことになる。 本とは何か、出版・編集とはどんな仕事なのか、自分なりに模索し続けてきた日々だった。気持ちがまだ編集者であるうちに、いまの考えを書いておこうと思う。 できたこと、できなかったこと 本を「書きたい人」「読みたい人」はいなくならない 本には「作品」としての価値がある 「書かなくてもいい」ものだからこそ、本に力が宿る 本は「編集者がつくる」のではない 著者と編集者の「同床異夢」が生む奇跡 おわりに 「出版業界ってどうなの?」「本もこれから大変だろうね」。出版社に内定が決まって以来、何度となく投げかけられてきた言葉だ。自分としても、「本の役割」や「出版社・編集者の存在意義」について、入社以前から自問自答してきた*1。 いまの時代、本は要るのか? 出版社は要るのか? 編集者