終戦の日はどんな天気だったのか。『鞍馬天狗』シリーズや『パリ燃ゆ』などを書いた人気作家の大佛次郎(おさらぎじろう・1897〜1973年)は当時、鎌倉(神奈川県)に住んでいたが、日記に天気とその日の出来事を書いている。 「8月15日/晴。朝、陛下自ら放送されると予告。(中略)予告せられたる12時のニュウス、君ヶ代の吹奏あり主上観(みずか)らの大詔放送、次いでポツダム会議の提議、カイロ会談の諸条件を公表す。(中略)世間は全くの不意打のことなりしが如し。人に依(よ)りては全く反対のよき放送を期待しありしと夕方豆腐屋篠崎来たりて語る……」(『終戦日記』)