水路橋(新潟市西区槙尾〈まきお〉) 内野駅(JR越後線)の南,新川に架かる水路橋は,立体交差する川として知られている。 何気なく写真を見ると,大河の上に橋を架けて新しい水路を作ったように見えるが,そうではない。 橋のように見える細い水路がもともとこの場所を流れていた川(西川)なのである。その下の大きな流れが,人工的に掘られた新川である。 つまり「川の下に大河を掘った」のである。 内野地区を含む西蒲原一帯は,水の出口の少ない湿地帯であった。比較的大きな川としては,はるか東の信濃川に合流する西川しかなく,しばしば氾濫して水害をひき起こしていた。そこで,新たな水路の開鑿が計画された。 この水路工事には,既存の西川の下にトンネル(「底樋」と呼ばれる木製の水路管)を掘って水流を交差させ,最短距離で水を海に流し込む方法が採用された。工事は3年を費やし,1820年に「新川」の立体交差が完成した。 現在の