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kaneo @kaneo_ 今日と、いうか昨日は三田祭にて翻訳ミステリの現状は厳しい、という話を聞いてきました。特に永島さんは超レアキャラなので、現役生はこういう機会を逃すのは勿体ないと思う。 kaneo @kaneo_ [まとめ]2000年代以降ダヴィンチが作家をスターシステムで売り出した辺りから海外ミステリに関してはランキング本に頼る位しか読者にとって道標がなくなり(しかも精々一位が勝ち組になるだけで)、それも年を追う毎に「去年の○位」などの文句が帯に踊っても何の効果もない。 kaneo @kaneo_ そこから大まかに言うと、本格偏重の日本のミステリ読みに海外読ませようってのがまず難しいよね、と。海外の主流はトリックにない。だからそこを求めると黄金期とかになっちゃう→読みにくい、古臭い→海外ダメ、というのがあまりに多い。
今年の海外小説に関しては白水社と国書刊行会に尽きる感じ。 ほぼ両社のまわしものみたいなランキングになってしまいましたが、文句なくよかった5冊をあげたいと思います。 一方、小説以外の本に関しては今年もあまり読めなかった感が強いですが(特に翻訳物の難しい学術書に関しては読む気力が弱まってきてしまった…)、そんな中でも面白かった4冊+1シリーズを紹介。こちらは特に順位をつけずにあげていきたいと思います。 ちなみに新書に関しては別ブログでベスト5をあげているのでここからは抜いています。 小説 1位 サルバドール・プラセンシア『紙の民』紙の民 サルバドール プラセンシア 藤井 光 白水社 2011-07-26 売り上げランキング : 16669 Amazonで詳しく見る by G-Tools およそ僕が小説に求めるものをすべて満たしている小説。 太宰治は『もの思う葦』の中の「晩年に就いて」という文章
若島正がSFについて書いた文章をまとめた本。 タイトル通りにSFの短篇を1篇ずつ取りあげた12回の講義が前半に収められ、後半には、より広くSFを扱ったさまざまな文章と、特別にジーン・ウルフを論じたり語ったりしたものが集められている(ウルフの超短篇も訳載+読解されている――「ガブリエル卿」)。 といっても、SFに詳しくない私のような人間にもたいへん面白く読めた。それは乱視読者・若島正の姿勢が一貫してこのようなものであるからだろう。 《わたしがよりどころとする立場は、単なる小説読者として小説を丁寧に読むことであり、SFというジャンルの中だけにしか通用しない議論にはさほど興味はない。》p15 そういえば『乱視読者の帰還』(2001)にも、忘れがたい一節があった。 《作品を論じるにあたって、わたしは難解な批評用語を弄ぶつもりはない。丸い卵も切りようで四角というのは、わたしの趣味ではない。むしろ、丸
ここで強調されているのが、金融引締め基調で景気が低迷しているときに震災に見舞われ、その結果資金が必要になったのに、大胆な金融緩和がなされなかったために資金繰りがつかずに金融不安が起こった。そんなときなのに、政府はなすべきこととは真逆の政策をとってしまった。つまり、増税や財政削減など総需要を減らす政策をとってしまった。そのために、とりかえしのつかない大不況になってしまったということです。 この、金融引締め基調で景気が低迷しているときに震災に見舞われ、その結果資金が必要になったのに、大胆な金融緩和が見られないということは、今回の東日本大震災でもあてはまることです。日銀は震災直後一時的におカネを出しましたが、すぐもとに戻っています。(こちらを参照。「観の目つよく」さん) こんな中で、消費税の増税などが企まれているのですから、お~こわ。「二度あることは三度ある」の道へまっしぐらという感じですね。
あらゆる「本を読む人」にオススメ。 賢者のライフハックから原理的な選書眼まで、「読書」にまつわる愛と気づきがぎっしり詰まっている。古今東西に及ぶ史実、逸話、伝承、研究成果などを交えて語られた「読書の歴史」に類書は存在しない。隙のない全方位的展開でいながら、自らの思索と経験を語りつくしている。本書の評価は、「名著」がふさわしい。読んでも読みつくせないことへの畏怖と敬意を抱きながら、読むことに対する勇気を灯してくれるスゴ本。 マングウェルは「図書館 愛書家の楽園」を読んだだけだが、博覧強記が服着ているような猛者。生きてる人で比較すると、松岡正剛なみの読書家・愛書家・狂書家といっていい。そんな薀蓄大王が気張らずに語りかけてくれる。トピックが重層に張り巡らされているので、読み手の経験や年齢や嗜好に応じ、幾通りの出合いがある。わたし自身、再読のたびに発見があるだろう。だからここでは、今回の読みで出合
年の暮れが近づいてまいりました。今年も例年同様、一年間の収穫を振り返ってみたいと思います。例によって著者50音順で、同一著者については一冊としました。 生駒俊樹『実践キャリアデザイン』 実践キャリアデザイン―高校・専門学校・大学 作者: 生駒俊樹出版社/メーカー: ナカニシヤ出版発売日: 2010/06メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 97回この商品を含むブログ (5件) を見るやはり現場の話は面白い。一気に読んでしまいましたし、もっと読みたかった。書評はこちらです。 江口匡太『キャリア・リスクの経済学』 キャリア・リスクの経済学 作者: 江口匡太出版社/メーカー: 生産性出版発売日: 2010/01/29メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 1人 クリック: 85回この商品を含むブログ (6件) を見る年初の本なのですが、いま振り返ってみても私が今年いちばん楽しく読んだ本の
Googleブックスの騒ぎを知って約1年。気づくと今そこには「読んでみたかった!」という本が数多く載せられていることを知りました。 さて、そこでゲーム開発にも応用できる知識を中心に私がチョイスしたのが以下の本たちです。もちろんGoogleブックスではこれら以外にもまだまだ多くの本を閲覧することができます。これらを読めば、本には本当に知識と情報がまとめられているということ、著者たちの努力を発見できると思います。 ゲームデザイン 「おもしろい」のゲームデザイン: 楽しいゲームを作る理論 シリアスゲーム デジタルゲーム学習: シリアスゲーム導入・実践ガイド ユーザビリティエンジニアリング原論: ユーザーのためのインタフェースデザイン 人はなぜ形のないものを買うのか: 仮想世界のビジネスモデル ゲーム理論の基本と考え方がよ〜くわかる本 ノベルゲームのシナリオ作成奥義 ライトノベル創作教室 すごい人
スラムの惑星―都市貧困のグローバル化― 作者: マイクデイヴィス,酒井隆史,篠原雅武,丸山里美出版社/メーカー: 明石書店発売日: 2010/05/20メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 45回この商品を含むブログ (17件) を見る 書評を見て以前から気になていた本。図書館で見かけたので借りる。なんというか衝撃的な書物。先進国の工業都市が縮小しつつあることは、矢作弘『「都市縮小」の時代』(ISBN:4047102180)で描かれている。それと対になる、発展途上国でのスラムと都市貧困の氾濫という現実を明らかにした著作。 未来の都市は、先行世代の都市論者が予想したようなガラスと鉄からではなく、大部分、未加工のレンガ、藁(わら)、再利用のプラスチック、セメントの塊、廃材で建設されることになる。二一世紀の都市世界のほとんどが、天空をめざしてそびえ立つ光り輝く都市ではなく、汚物と排(はい)
10月のあたまから3週間くらいかかって、トマス・ピンチョンの『逆光』(2006)を読んでいました。新潮社「トマス・ピンチョン全小説」の第二弾。 読んでいるあいだじゅう、ツイッターでえんえんつぶやき続けていた感想をここにまとめてみました。 上巻: その1 その2 その3 その4 その5 その6 その7 下巻: その8 その9 その10 その11 その12 その13 その14 その15 その16 びっくりするほど、内容の話をしていません。 紹介も考察も特になく、1回が140字の制限上、引用も控えめで(趣味なのに)、じゃあこれは何かといったら、つまり、日記でした。 ★ なお、『逆光』を読んだ/読んでいる方には、訳者である木原善彦さんがツイッター上でおこなわれている“注釈”が無類に面白いはずです。 1ページに1注釈で、現在進行形。 →こちら 『逆光』を読んでいなくても、この注釈を面白いと感じる方は
輪島裕介『創られた「日本の心」神話――「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史』(2010、光文社新書)が、めちゃめちゃ面白い。 創られた「日本の心」神話 「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史 (光文社新書) 輪島 裕介 光文社 2010-10-15 売り上げランキング : 34668 Amazonで詳しく見る by G-Tools 僕は演歌とかあまり詳しくないので、この本読むだけでもいろいろ勉強になるんだけど、これ、youtubeなどで聴きながら読むとすごい面白いよ!! 情報が詰め込まれすぎて(さすが輪島先生である)、全部の曲を聴くのは大変ですが、いくつかピックアップしてまとめとくので、皆様ご活用ください。 秋の夜長にオススメ。 とりあえず、目次 はじめに 第一部 レコード歌謡の歴史と明治・大正期の演歌 第一章 近代日本大衆音楽史を三つに分ける 第一期 レコード会社専属制度の時代 第二期 フリーランス職
記録的な今夏の猛暑のさ中に一冊の本が法政大出版局から刊行されました。叢書ウニベルシタスの白い背表紙の上に書かれたその名は知る人のみぞ知る偉大なルネサンス人、ギョーム・ポステルです。同じ16世紀人としては、マキャべリやエラスムスやルターのように後世まで名を轟かせた思想家とは違い、ポステルは生前からすでに忘れ去られていました。晩年の18年間を狂人としてサン・マルタン修道院に幽閉され、そこで静かに71歳の生涯を閉じたのです。その人間同様、その思想も忘却の淵に沈み、わずかに『十二ヶ国語入門』などの比較言語学的興味でしか思い出されず、サイードが『オリエンタリズム』でその名に触れた時も、誰がそれに気づいたでしょうか。 ラテン語、ギリシア語は言うに及ばず、ヘブライ語、アラビア語に精通し、遠い地方への謎めいた旅、持ち帰った膨大な書籍と該博な知識、その時代随一のカバラ研究者、そして理解不能な狂おしい神秘主義
→紀伊國屋書店で購入 歴史学とはやっかいな学問である。いくら説明しても、なかなかわかってもらえない。それは、だれもがよく知っている歴史の延長線上に、学問としての歴史学があると勝手に思って、わかろうという気もないからである。世間一般の人びとが認識している歴史と、学問としての歴史学は、似て非なるものであることに気づく者は、それほど多くない。そして、それをわかりやすく説明できる歴史研究者は、数少ない。そんな数少ないなかのひとりが、著者の遅塚忠躬である。 冒頭の「はしがき」で、著者はつぎのように書き出している。「歴史学に従事している人びとは、その従事する学問の性質について、大筋では共通の見解をもっているかといえば、けっしてそうではない。そこには、雲泥の差が見られ、ときには正反対の見解が対立している。したがって、私には、「公平な」史学概論を書くことはできない」。だから、著者は、「はしがき」で「読者に
知の巨人、1978年度のノーベル経済学賞の受賞者でもあるハーバート・A・サイモンが、1967年に書いた"The Science of the Artificial"という論文をベースにした本「システムの科学」を読む。社長がぼくがサイモンに興味があることを知って、学生の時に読んだと言って貸してくれたのである。 テーマは原題のように、「自然物とは異なる「人工物」の科学はいかにして可能であるか?」となる。 これが、今から30年前に書かれたものであるとは驚きである。さらに、経済学や経営学にとどまらず、物理、化学からコンピュータまで非常に広範な領域に言及していて、その偉大さに敬服させられる。 全部を追いかけるわけには行かないので、その中でもいまぼくがやっていることに関連していることが出てくる部分について記す。自慢するわけではないが、ぼくはサイモンという名前だけは知っていたが、この本で彼の論理の一端を
不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 『システムの科学』は、カーネギー・メロン大学コンピュータ科学、心理学教授であり、1978年度のノーベル経済学賞の受賞者でもあるハーバート・A・サイモンによって1967年に書かれた"The Science of the Artificial"という論文を、1996年に加筆・編集した第3版にあたるものです。 原題に示されているとおり、本書は以下のようなテーマが考察されています。 自然科学は、自然の物体と現象についての知識の体系である。それでは、人工的な物体と現象に関する知識の体系である「人工」科学("artificial science")というものは、はたしてありえないだろうか。 自然科学に対する人工物の科学。 この本では単に人によってつくられた道具、工学的な生産物などの物だ
ウィトゲンシュタインはこう考えた:哲学的思考の全軌跡1912-1951 (講談社現代新書) 講談社、2003年7月 ★感想メモ たいへん密度の高い重厚な内容。ウィトゲンシュタインの著作(テキスト)の書かれた時期と、彼の思考のつながりと重なりとを、これまでのテキスト研究の成果をもとに再構成して見せてくれている。 ていねいにほぐされたウィトゲンシュタインの思考は、著者の言葉によって語り直されることでいくつもの支流の合わさった大きな川のように太い流れとして入り込んできて、私の問題として読まされた。 読み進める中で、自分の中で何度か「感動」と名づけたいような静かな振動が起きた。 自分も考えをめぐらせたことのある問題、というのがいくつかあった。明確な答えを出せたわけではなかったそれらの問題は、ウィトゲンシュタインの説明から、おそらく哲学という分野を超えてこれからの「生」の実践の中で活きていくだろう、
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