来週の『真田丸』は忍城攻め!その前に知っておきたい兵糧&水攻めのリアル 戦国合戦の真実を『図解 戦国の城がいちばんよくわかる本』の著者であり、現在放送中の大河ドラマ『真田丸』の戦国軍事考証を担当する西股総生さんが解説します! 本当は避けたい長期戦 攻める側からすると、力攻め(強襲)はたくさんの死傷者が出るから、戦力ダウンにつながりかねない。しかも、武家社会では、戦いでの死傷は主君のために体や命を捧げたことになるから、手柄として認められる。 死傷者がたくさん出ると、主君としては家臣に褒美をたくさん与えなくてはならないし、戦死者の領地や財産を遺族に相続させる事務手続きも必要になる。これはリスクだ。 では、力攻めを避け、城を遠巻きに囲んで長期戦(=攻囲戦)に持ちこめば、リスクを抑えられるかというと、ことはそう単純ではない。 まず、長期の攻囲戦をつづけるということは、大人数を敵の城のまわりに張りつ