なぜ、中日はあそこでゲームを捨てたのか――。 2勝2敗のタイで迎えたシリーズ第5戦のことだ。中日の先発は「第5の男」となった中田賢一。 CSでは出番がなく、およそ1カ月振りの実戦のマウンドだった中田は、制球が安定せず、初回にいきなり5連打を浴びて4失点。 両者ともに負けたら後がなくなる。ひょっとしたら、監督の落合博満は、動くかとも思ったが動かなかった。 中田はその後も不安定な投球が続き、傷口はさらに広がった。 4回。過去4戦までわずか3安打と不調だった4番サブローにカウント2-0から2ランを浴びる。 6-1。前半とはいえ、6点は重い。ましてやこれ以上となると致命傷になりかねない。それでも落合監督はベンチの奥で腕を組んだまま鎮座していた。第1戦の先発、吉見一起のときは3回3失点で早々に見切ったというのに(5-2でロッテが先勝)。 「3つまで負けられる。想定内だ」(落合監督) わからないでもな