恋人である彼女と結婚し、夫婦となった二人の間にはほどなく子どもが生まれ、ふたりは父と母となった。 母となったことで夫とは「家族」という意識が強くなり、妻は夫からの夜の営みの誘いが苦痛になってしまった。 夫は寂しさから風俗で遊ぶようになり、そこで一人の風俗嬢と出会った。 どうにか風俗嬢の注目を集めたくても、ブランドものを買ってプレゼントする金はない。 そこで夫は、髪型やコロンやネイルなど、細やかな仕草や変化を観察し、風俗嬢を誉めるよう心遣いで気をひこうとする。 風俗嬢にとっては数いるカモの一人という認識だったが、不器用にも必死に食らいつく姿が無様で面白く感じ、次第には日々の暮らしや愚痴など打ち明けられる仲になる。 女性と接するにつれ、もしや妻との性生活が疎遠になった原因は、育児や生活のために相手をリスペクトすることが疎かになっていたのではないかと気づく。 不気味に誉めてくる夫に対して、妻は戸