トヨタ自動車の2014年3月期の連結業績(米国会計基準)は、営業利益が2兆2000億円を超え、6年ぶりに2兆円の大台に乗る見通しとなった。安倍政権の経済政策「アベノミクス」で円高が修正されたことに加え、赤字転落を機に構造改革を加速した成果が表れ始めたことが要因だ。ただ、現在の為替水準は一時的な神風に終わる可能性もある。好調だったアジアの販売にも陰りが見えており、好調を維持できるか予断を許さない。 「リーマン・ショック以降、(コスト削減などの)努力を続けてきた」。小平信因副社長は6日の決算会見で、業績回復の要因が為替相場だけではないことを強調した。 トヨタの連結営業利益が2兆2703億円と過去最高だった08年3月期の年間為替レートは1ドル=114円。一方、今期の想定レートは97円で、当時より17円円高だ。1円の為替変動で営業損益が400億円上下する収益構造は08年3月期と今期で変わってい