かつて経団連の会長で土光敏夫という人がいた。 経団連の会長までなったのだからものすごい金持ちである。 しかし、とても勤勉で質素な人であったそうだ。 庶民からは安いメザシを食べているのでメザシの土光と呼ばれ、尊敬された。 一月の生活費は5万円程度で、経団連会長時代でも10万円程度だったと言われている。 しかし、マクロ経済的に見ればこれほど迷惑な人物はいない。 たくさんの資産や所得があるにもかかわらず、消費をしないのである。 金持ちが消費してくれるおかげで、お金が循環して、次にお金が回る人の所得がうまれるのである。金持ちに貯蓄されたら、仕事を得られるはずの人が失業したり、あるいは所得を減らさなければならないのである。 一般的に日本人には、質素倹約して贅沢をしない政治家や財界人が尊敬される。しかしマクロ経済的には全く逆であり、贅沢をしないで金を溜め込む金持ちほど不道徳な人物はいないのである。
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