高齢者の一人暮らしが増える中で、引き取り手のない遺骨が増えている。最後に扱いを任される自治体は頭を悩ませている。 10月29日朝、神奈川県横須賀市。生活保護などを担当する市職員や葬儀社の関係者が、山あいの小さな納骨堂の前に集まった。 扉が開き、かびたにおいが漂う。棚には骨つぼがびっしり。遺体の引き取り手がないなどの理由で、市が火葬した人の遺骨だ。 市の納骨堂への搬入数は2003年度16体、14年度60体。担当者は「親族に引き取りを拒まれるケースが増えてきた」と話す。 数珠を巻いた手をあわせ、「さあ、いきましょうか」。手狭になった納骨堂から持ち出す骨つぼを、慎重に選ぶ。「458番は?」「はい、あります」 骨つぼは主に7寸(約21センチ)や8寸だが、場所をとらないよう今春以降は5寸にした。保管が長くなれば「合葬」する。 29日は3度目の合葬だった。06~11年度に搬入した約170の骨つぼを運び