日本のeスポーツ黎明期にプロゲーマーとなった、ときど。大会に合わせて世界を飛び回る彼の日常は、まるで求道者のように真摯にゲームと向き合う日々だった──。 格闘ゲーム『ストリートファイター』でゲーム内のキャラクター・豪鬼を操り、eスポーツ界のトップに君臨するプロゲーマー・ときど。東大卒という、異色の経歴を持つ彼が、プロゲーマーの道を歩み出したのは日本ではeスポーツという言葉すら一般的ではなかった2010年のこと。 「この頃はプロとして生計を立てているゲーマーはほとんどいませんでした。それでもプロゲーマーになろうと思ったのはゲームが好きだったというのが一番の理由ですが、直接eスポーツ先進国であるアメリカに行って情報を見ていたのが大きいですね。最初はロサンゼルスの大学の体育館で開かれていた大会が、次はラスベガス郊外のホテルになり、メインストリートに近い大きなホテルになりと、年を追うごとに規模が拡