先日、初めて小倉昇先生にお会いした。先生は居合道範士八段、剣道教士七段。全日本剣道連盟参与でいらっしゃる。 場所はフランスのベルサイユ。3日間にわたって開かれた研修セミナーに、欧州のサムライたちが200人ほど集まった。 大規模な居合の稽古を見学するのも、大人数の袴姿の外国人を見るのも、私には初めての体験。真剣な練習風景は、ことに圧巻だった。 小倉先生は大勢の大人たちを前に、噛んで含めるようにやさしく教えてらした。すごい経歴の人だからと構えていたら、思いのほか洒脱な先生だった。足さばきの練習で「みなさんのは送り足じゃなくって、引きずり足だよー」なんてコメントがとぶので、不謹慎にも私はケタケタ笑ってしまった。指導がおもしろいと、一日の疲労(徒労)感も残らない。 セミナーは朝から晩まで、小休憩を除いて丸一日続く。部外者には計り知れない、練修量。来る日も来る日も、倦まず弛まず居合を続けるなんて、「