辺境を行くノンフィクション作家、高野秀行さんと歩く「隣の外国人」企画。取材は、東京郊外の和風喫茶店で、なぜかサウジアラビアのイスラム法学者のファトワ(宗教見解)をユーチューブで聞くことから始まった。期待通り、全く想定していなかった展開だ。 話は「今日、すごく重要なことがありました」という高野さんのメールから始まった。 高野さんによると、サウジの著名なイスラム法学者オサイミーン師が、「めいてい作用のないアルコール成分についてはハラル(合法)」というファトワ(宗教見解)を出したのだという。 高野さんの友人のスーダン人女性アワーティフさん(36)の悩みは、和食の大半はみりんや酒を使っているため、食べられないことだった。お菓子も同じく、食べられないものが多い。イスラム教徒は飲酒が禁じられている。よきイスラム教徒たらんとするアワーティフさんは、たとえ調味料としてわずかに使っただけでも、酒を使った食品