禅問答とは何か 禅問答とは、公案(こうあん)とも呼ばれる、悟りを開くための修行法のひとつで、ひらたくいえば「なぞなぞ」であり「とんち」である。しかし、このなぞなぞは、論理的思考では決して解けないような矛盾や不合理なものとなっている。にもかかわらず、このなぞなぞをひたすら何年も考え続けると、ついには論理の壁を破って「解答」がわかるときがくる。そのときに、悟りが開かれるといわれる。というのも、悟りは論理的思考を越えた、換言すれば、二元的思考を越えた一元的な意識の領域に属するからである。 私たちも、こうしたなぞなぞ、公案を考えることによって、悟りとまではいかなくても、人生のさまざまな問題や悩みに遭遇したときに、それらを解決する名案を得るための、頭の体操には十分になることだろう。なぜなら、人生は不条理に満ちており、その問題も、あれか、これか、という二元的な選択ではどうしようもないようなことが多