烏山頭ダムを見渡せる場所に建てられた八田氏の銅像。右手の指に髪を巻き付ける癖があったため、このポーズなのだとか。 〜台湾訪問記〜 5月30日から、3泊4日の日程で足を運んだ台湾。訪問の目的はズバリ「ダム」を見に行くことでした。正式名称を「烏山頭ダム」といい、建設を設計・監督した日本人の水利技術者・八田與一(はった・よいち)に因んで「八田ダム」とも呼ばれています。日本統治時代の台湾で、農業水利事業に大きく貢献したことから、台湾の元総統・李登輝氏が講演原稿の中で『台湾の大恩人』と紹介するほどの人物。今回はその八田氏が台湾に残した功績を辿ってみたいと思います。 烏山頭ダムと三年輪作で 不毛の大地を大穀倉地帯に 今回、現地でのガイド役をつとめてくれたのは、友人を通して知り合った王正潭(おうしょうたん)先生夫妻。王氏は陸軍軍官学校副教授や桃園新屋分院長を兼任した医学博士で、心臓麻酔の大家であり、現職