がんなどで人生の最終段階(終末期)にある傷病者が心肺停止状態だった場合、現場の救急隊員はどう対処したらいいのか―。こうした状況の解決に向け、日本臨床救急医学会(坂本哲也代表理事)は、終末期の患者らの心肺蘇生に関する提言をまとめ、公表した。提言では、かかりつけ医の指示があれば、救急隊は心肺蘇生を中止できるとの見解を示している。【新井哉】 疾患を抱える高齢患者の中には、「心肺蘇生は望まない」と本人が希望しているケースが少なくない。しかし、実際に容態が悪化した際、通報を受けて出動した救急隊員が現場で初めて本人の希望を知り、対応に戸惑う場合もある。 また、医師から心肺蘇生を中止するよう指示を受けても、統一的な基準がないため、現場の救急隊員がどう判断したらいいのか分からず、心肺蘇生を続けるケースもあるという。 こうした状況を踏まえ、同医学会は、傷病者の意思に沿った救急隊の対応について、統一的な