3月に行われた伝説の順位戦6者プレーオフ。最終的に羽生竜王が挑戦権を得たものの、間違いなく主役はこの男だった。自らの敗戦から生み出してしまった地獄のトーナメント。久保利明王将、佐藤康光九段、広瀬章人八段と並み居るA級棋士たちを短期間で次々と下し、あわやという所まで迫った。 そんなハードスケジュールにも決して疲れ色を見せない。その様子はインタビュー時も変わらない。とにかく自然体だ。淡々と質問に答えていくさまは、普段の豊島将棋そのものだ。第四回は、「逆襲」というテーマから、ほど遠い内容かもしれない。ただそれこそが「彼らしさ」を、最も体現しているのではなかろうか。(編集部) 豊島将之(とよしま・まさゆき) 1990年生まれ。愛知県一宮市出身。桐山清澄九段門下。99年、6級で奨励会入会。2007年、四段。10年、王将戦史上最年少の20歳で七番勝負登場。以後、タイトル戦登場5回。14年、電王戦に登場