男性の精子産生に関与する遺伝子は6億年前から存在し、昆虫から哺乳類まであらゆる生物を通して精子の産生に限定的に必要とされる遺伝子であるようだという。 報告を行った米ノースウェスタン大学フェインバーグ医学部の研究グループによると、Boule遺伝子と呼ばれる遺伝子の機能には進化の過程を通して変化がみられないという。今回の研究では、ショウジョウバエ、ウニ、ニワトリ、魚およびヒトの精子を比較。また、雄のマウスからBoule遺伝子を除去すると、健康は維持されたが、精子が産生されなかった。この研究はオンライン医学誌「PLoS Genetics(遺伝学)」に7月15日掲載された。 今回の研究は、男性不妊の解明や男性避妊薬の開発など、ヒトの健康にさまざまな意味をもたらす可能性があるという。「ヒトが精子を産生する能力が太古の昔からのものであり、その起源はおそらく6億年前の動物の進化の黎明期にさかのぼることが