1日に92歳で亡くなったカブトガニ研究の第一人者で筑波大名誉教授の関口晃一さんは、笠岡市立カブトガニ博物館(岡山県笠岡市横島)の建設に尽力したことで知られる。 交流があった同博物館副館長の惣路紀通さん(55)は「カブトガニについて何でも答えられる神様のような人。博物館がここまで続いたのは、関口さんの支えがあったおかげ」と惜しんだ。 関口さんは、1990年に開館した同博物館のカブトガニ部門の展示内容を監修し、標本など多数の資料を提供した。カブトガニを増殖させるため、ある程度まで人工飼育し、環境への抵抗力を持たせてから放流する方法を指導し、現在も博物館で受け継がれている。 惣路さんによると、関口さんは、笠岡市を度々訪れてはカブトガニの保護を熱っぽく訴え、「市民の意識を高めるため、博物館はしっかりと活動をしてほしい」と激励。3、4年前に会った時は、「高齢だから、笠岡はこれで最後かな」と寂しそうに