「われわれには、核武装をしようという考えはありません。われわれには、核兵器を生産する資金だけでなく、それを実験するのに適当な場所もありません。…韓半島(朝鮮半島)では、核を使った場合、全てがもろともに滅亡してしまうので、使用することはできません」 1977年4月に日本の月刊誌『世界』に掲載されたインタビュー記事において、北朝鮮の金日成(キム・イルソン)元主席はこのように語っていた。同誌は、まるで金日成のための宣伝の場を提供しているように見えた。 日本の代表的出版社である岩波書店が1946年に創刊した月刊誌『世界』は、「日本の進歩的知識人の公論の場」という賛辞を受けてた。日本の軍国主義的価値を否認し、自由と民主、良心と人権を追求した『世界』は、華麗な執筆陣と極めて強い影響力を誇っていた。 しかし、国民大政治外交学科の教授として長年の間『世界』を購読してきた著者は、この雑誌を体系的に分析