防衛省が米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事を再開した。沖縄防衛局長が石井啓一国土交通相に申し立てた沖縄県の埋め立て承認撤回処分の執行停止が認められたためだ。それでも「国民の権利救済」を目的とした行政不服審査法を使い、政府機関同士の審査で沖縄県の決定を覆す不自然さは否めない。国交相による執行停止は2015年以来だが、専門家は「今回は3年前よりもさらに正当性に欠ける」と語る。なぜなのだろうか。【佐藤丈一/統合デジタル取材センター】
大型コンクリート製ブロックを投下する作業員=30日午前10時半、名護市の大浦湾 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古での新基地建設で沖縄防衛局は30日午前、翁長雄志知事が投下の一時中断を指示したコンクリートブロックの投下作業を続けた。工事に反対する市民たちは船3隻とカヌー15艇、ゴムボートで海に出て抗議した。 カヌーに乗って抗議行動する市民を拘束する海上保安官(右から2人目)=30日午前10時20分、名護市の大浦湾 30日午前10時ごろ、ブロックがクレーンでつり上げられると、カヌーに乗った市民は抗議を強め、海上保安官が強制排除を始めた。市民からは「違法な工事を中止して」「暴力行為をやめろ」などの声が上がった。 一方、米軍キャンプ・シュワブゲート前では移設に反対する市民ら約90人が座り込み、新基地建設反対を訴えた。午前9時ごろ、大型トラックなど、工事関係車両25台がゲ
辺野古移設阻止に向けて「頑張ろう」と叫ぶ参加者たち=沖縄県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前で2017年3月25日午後0時14分、佐藤敬一撮影 移設反対、断念求める大規模な集会に初参加 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設に反対し、移設断念を求める大規模な集会が25日、辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前であり、3500人超(主催者発表)が参加した。2014年12月の就任以来初めて翁長雄志(おながたけし)知事が辺野古での集会に出席し、前知事による辺野古沿岸部の埋め立て承認処分について「あらゆる手法で撤回を力強く必ずやります」と述べた。知事が撤回の意向を明言するのは初めて。 集会で知事は「これから沖縄の新しい闘いが始まるということで参加した。心を一つにして新辺野古基地は絶対に造らせない」と語った。ただ撤回で承認の効力を失わせても、国は即座に対抗措置を取る
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