我が国を取り巻く安全保障環境が激変している。 国際法を無視して他国への武力侵略に踏み切ったロシアに加え、中国は急激に軍事力を拡大し「力による現状変更の意思」を明確にしている。 北朝鮮はミサイル開発を活発化し、核開発を着実に進めている。欧州で既に見られている国際秩序を根底から覆す事態が東アジアで発生しないとは言い切れないだろう。 国防はリアリズムだ。国民の生命と財産を守り抜くためにはタブーを設けることなく議論し、激動する国際情勢に冷徹かつ柔軟に対応していく必要がある。 我が国独自の防衛力の整備や同盟国・米国はじめ他国との連携強化など平時からの備えが緊急の課題であり、護憲派対改憲派という旧態依然としたイデオロギー対立に固執することなく、憲法とも真正面から向き合うべきだ。 ただ、憲法議論のスタートは、戦後日本の平和国家としての歩みを尊重することから始めなければならない。国民が継承してきた憲法前文