タグ

ブックマーク / univ-journal.jp (8)

  • 抗老化候補物質NMNの長期内服の安全性を慶應義塾大学が確認

    慶應義塾大学の伊藤裕前教授らの研究グループは、抗老化候補物質として注目されているニコチンアミド・モノヌクレオチド(NMN)が、健康なヒトにおいて長期間安全に内服可能であること、糖代謝改善作用を呈する可能性があることを明らかにした。 研究グループは今回、長期投与の研究を実施。健康な男性14人(40~60歳)にNMNを8週間、連日朝前に250 ㎎経口投与したところ、NMNの摂取期間に応じて、末梢臓器(末梢血単核球中)のNAD+量は増加した。血圧・脈拍・体重や、目の機能・睡眠の状態にも影響を与えなかった。肝臓や腎臓などの機能をみる血液・尿検査でも変化は認めなかった。 また、経口ブドウ糖負荷試験による耐糖能検査では、有意な変化は認めなかったが、血糖を下げるホルモンであるインスリンの分泌量が多い3名では、NMNの内服に伴いインスリンの過剰な分泌が是正される可能性が示唆された。 これにより、長期経口

    抗老化候補物質NMNの長期内服の安全性を慶應義塾大学が確認
  • クフ王ピラミッドにある未知の空間の大きさ・位置を、名古屋大学などが高精度に特定

    クフ王ピラミッドにある未知の空間の大きさ・位置を、名古屋大学などが高精度に特定 大学ジャーナルオンライン編集部 名古屋大学大学院と未来材料・システム研究所の研究グループは、世界最大規模のクフ王のピラミッドのシェブロンと呼ばれる石組み構造(切構造)の背後にある未知の空間の位置と形状を、ピラミッドを破壊せずに数cmという高い精度で詳細に特定した。研究には、カイロ大学(エジプト)、高エネルギー加速器研究機構(KEK)、CEA(フランス)などが参加している。 研究グループは今回、この空間が、シェブロンの表面から80cm背後におよそ2m×2mの断面を持つ長さ約9mの空間であることを、数cmという極めて高い精度で特定した。これには、多地点宇宙線イメージングと呼ばれる技術が用いられ、宇宙線中のミューオン(素粒子の一種)が持つ、厚い物質でも通り抜ける性質を利用したもの。また、この空間は水平構造であること

    クフ王ピラミッドにある未知の空間の大きさ・位置を、名古屋大学などが高精度に特定
  • 空気の持つ熱エネルギーをほぼ100%の効率で回収する伝熱管の開発に成功

    電気通信大学と三菱マテリアル株式会社中央研究所のグループは、ほぼ100%の熱回収を可能とする画期的な伝熱管の開発に成功した。 伝熱管には多孔質体を使うこと、さらに、伝熱管と多孔質媒体を焼結することで、伝熱性能を向上できることが知られてきた。そこで、研究者らは、アルミニウム製の管内に同一素材の繊維体を充填した特殊な多孔質伝熱管を作製し、通常のアルミニウム製伝熱管との比較実験を行った。 実験の結果、通常の長さ150mmの伝熱管では、入口温度を200℃とし、伝熱管の周囲を2℃に冷却した場合、伝熱管の出口から出てくるのは130℃程度の熱風であったのに対し、わずか20%の空間割合で繊維体を25mm充填しただけの伝熱管では、2℃の冷風が排出されたという。アルミニウム繊維体を充填し、伝熱管の長さを短くすることで、伝熱管の入口と出口に約200℃もの驚異的な温度差が生じ、ほぼ100%の損失のない熱回収に成

    空気の持つ熱エネルギーをほぼ100%の効率で回収する伝熱管の開発に成功
  • 世界初、石油の代替となるバイオ燃料を合成可能な植物プランクトンを発見

    海洋研究開発機構(JAMSTEC)、豊橋技術科学大学、生理学研究所のグループが、石油と同等の炭化水素(炭素数10から38までの飽和炭化水素)を合成する能力をもつ植物プランクトンを世界で初めて発見した。 一方、今回明らかになったのは、ハプト藻の一種であるDicrateria rotunda(D. rotunda)が持つ、炭素数10から38までの一連の飽和炭化水素合成能力だ。これは、ガソリン(炭素数10から15)、ディーゼル油(炭素数16から20)、燃料油(炭素数21以上)などに相当する炭化水素をつくる能力といえ、このような生物は過去に報告例がない。また、Dicrateriaは広く生息する植物プランクトンであり、グループが最初にこの能力を見出した北極海株ARC1だけでなく、微生物株保存機関に保管されている他10種のDicrateria属の株からも同様の合成能力が確認されたことから、種に共通

    世界初、石油の代替となるバイオ燃料を合成可能な植物プランクトンを発見
  • 新型コロナウイルス治療薬候補となる既承認薬を発見、東京理科大学など

    東京理科大学の渡士幸一客員教授のグループは、すでに承認されている薬剤から新型コロナウイルス増殖を効果的に排除する多剤併用を見出した。今回の成果は、国内外の25の研究室・プロジェクトの共同研究(注)により得られた。 ネルフィナビルは抗HIV(ヒト免疫不全ウイルス)治療薬、セファランチンは白血球減少症や脱毛症、マムシ咬傷に使用される薬剤。これらはそれぞれ感染細胞から放出されるウイルスRNAを1日で最大0.01%以下にまで強く減少させ、現在治療薬候補となっているロピナビルやクロロキン、ファビピラビルよりも強い活性を持っていた。またネルフィナビルとセファランチンの併用により、1日で感染細胞からのウイルスを検出限界以下に排除できた。 また、実際に臨床で使用される投与量でどの程度ウイルス排除に有効かを数理解析で予測した結果、ネルフィナビル(経口投与)単独治療で累積ウイルス量が約9%に減少し、ウイルス排

    新型コロナウイルス治療薬候補となる既承認薬を発見、東京理科大学など
  • アオサにコロナウイルス増殖抑制効果、中部大学が発見

    海藻のアオサにヒトコロナウイルスの抗体を増やす効果があることが、中部大学生命健康科学部の河原敏男教授、中部大学大学院工学研究科の林京子客員教授、化学薬品メーカー・江南化工、海藻の健康効果を研究するラムナン研究所の共同研究で分かった。研究グループは新型肺炎を引き起こしている新型コロナウイルスにも効果があるのではと期待している。 ヒトコロナウイルスの感染実験に使用できる動物がいないことから、研究グループはエンベロープとRNAを持つA型インフルエンザウイルスをマウスに感染させ、アオサに含まれるラムナン硫酸の効果を調べた。その結果、3日後にウイルス量が半減し、抗体量が何も与えないマウスに比べて7日で約1.5倍、14日で約2.3倍になったことが分かった。 研究グループはウイルスのエンベロープ中のたん白質が生細胞に付着しようとするのをラムナン硫酸が阻害し、免疫細胞を活性化させて抗体の産生を促したとみて

    アオサにコロナウイルス増殖抑制効果、中部大学が発見
  • ミントの香りが農業害虫の天敵を誘引することを発見 東京理科大学

    ミントから放出される特有の香りが、農業害虫の天敵を惹きつける現象を、東京理科大学の有村源一郎教授の研究グループが発見した。この発見は、ミントをコンパニオンプランツ(共栄作物)として用いる有機農法の確立につながるとみられる。 研究では、重要害虫であるヨトウガ、アザミウマ、コナジラミ、ハダニなどの天敵である”タバコカスミカメ”に着目し、ミントの香りに対するタバコカスミカメの行動について評価した。結果、キャンディミントの香りが、ヨトウガの幼虫に害されたナス葉から放出される匂いと同程度にタバコカスミカメを誘引することを発見し、さらに、予めキャンディミントの香りを経験したタバコカスミカメは、より強い嗜好性をキャンディミントの香りに示すことが見出された。また、周辺にミントがある場合、タバコカスミカメの捕性が上がることもわかり、ミントの香りがタバコカスミカメの誘引のみならず欲増進の効果を持つこと

    ミントの香りが農業害虫の天敵を誘引することを発見 東京理科大学
  • 磁場による固体電子の量子化エネルギーを導く理論手法 電気通信大学が開発

    電気通信大学の研究グループは、磁場によって量子化される固体電子のエネルギーを初めて厳密に求めることに成功した。 一方、固体電子における相対論効果(電子の持つスピンとその軌道運動の間の相互作用による効果)が近年注目を集め、活発に研究されるようになるにつれ、磁場中量子化エネルギーの厳密な計算手法が求められるようになってきたという。 こうした中、研究者らは、「行列力学」を応用して量子化エネルギーを計算する手法を開発することに成功した。まず、1955年にJ.M.ラッティンジャーとW.コーンが導いた、固体中の周期ポテンシャルと磁場を両立する方程式を詳しく解析することから始めた。ラッティンジャー・コーンの方程式は非常に複雑で、(簡単化した特別な場合を除いて)一般には解くことができなかったが、これを解く数学手法を模索した結果、行列力学ならば可能であることを発見した。 この発見を元に完成させた手法を用い

    磁場による固体電子の量子化エネルギーを導く理論手法 電気通信大学が開発
  • 1