三年ほど昔、はてな匿名ダイアリーに『強くなりたい新大学生が本当に読むべき本100冊』という記事がアップロードされていて、たくさんの人からボコボコに非難されていたのを見かけた。 読んで面白い本も含まれていた反面、“この100冊を大学生活のうちに読み切れば、必ずや一生の財産になる”“ここに挙げられた本が、現代最新型にアップデートされた真の「教養」だ!”といった煽り文句が、かえって鬱陶しいというか、山師めいていた。数十年後に教養として残り得るのか定かではないタイトルが多いのも気になった。 それ以前の話として、本を読んで“教養を獲得する”にあたって、「本当に読むべき100冊」的なリストとは一体なんだろう、と訝しく思う。ちょっと大きめの書店に行けば、「読書の秋、教養になる○○冊」とか「有名人が薦めた○○冊」という企画をよく見かける。あれを仕掛ける人達の思惑と目的は、まあわかる。そのリストのなかから、