岐阜県関市で昨年7月、自転車修理・販売業野沢伸一被告(61)が在宅介護で寝たきりの母静さん=当時(83)=を殺害した事件で、殺人罪で起訴され拘置中の同被告が本紙の取材に書面で答えた。施設介護に頼らなかった理由を「お金を持っていなかった」などと回答。介護に専念して家業の収入はゼロに近く、事件には「貧困」と介護サービス自体への誤解が影を落としていたことが浮き彫りになった。 野沢被告は独身で、自転車店を継いで両親と3人で同居していた。2003年に父が亡くなってからは母親との2人暮らし。警察の調べでは、事件当時の野沢被告の年収は、静さんの年金と亡父の遺族年金で得られる年額120万〜130万円程度だったとみられる。 野沢被告は施設介護について「自分も母親も、良くない印象を抱いていた」と答え、介護サービスに対する理解不足も事件の要因になったとみられる。 犯行動機は「母親は時には死にたいと言っていたし(