これでも僕は20年間、ずっとサッカーを観ている。 映像でも観る。スタジアムにも行く。僕のライフワークだ。 さらにいえば、ウイイレやFIFAやサカつくやFootball Managerといったサッカーゲームにも、僕は多くの時間を費やしている。 しかし、だ。 お恥ずかしい話なのだが、これだけ長年観ているのにもかかわらず、僕はサッカーの戦術的な話が、未だに全然わからない。サッカーを語るうえでの素養が、まったく身についていない。 かれこれ20年間、僕はずっと雰囲気でサッカーを観ている。 たとえば、僕が愛する東京ヴェルディの試合を現地で観戦したとしよう。 入場前の待機列に並びながら、本日のメンバーをチェックする。お、松橋優安がスタメンだ。彼はいろいろなポジションがこなせる。今日の試合、彼はどこで起用されるんだろう。 スタジアムに入り、ゴール裏の適当な席につく。隣にいるシルバーフレームのメガネをかけた