今日のCEO(最高経営責任者)にもっとも必要とされるものが情報責任である。「どのような情報が必要か。どのような形で必要か」を考えることである。そうして初めて、情報の専門家が、こういうものをこういう形で得ることができると答えてくれる。しかし、実はその答えさえさほど重要ではない。重要なのは、「いつ必要か。誰から得るか。そして自分はどのような情報を出さなければならないか」という、より根本的な問題のほうである。 ~ ピーター・F・ドラッカー(上田 惇生訳) もともとはジャーナリストであったせいか、ドラッカーは印象に残る言葉を数多く造ってきた。「目標管理」や「知識労働者」ほど広く知られた言葉ではないが、「情報責任」もその1つであると思う。 本欄の第1回目で、「必要な情報つまり重要な情報は、現在の情報システムでは得られないことを知るにいたる」というドラッカーの指摘を紹介し、この問題に対してドラッカーが