外国為替証拠金取引(FX)で、預け入れた証拠金の何倍まで取引できるかを示す「レバレッジ」の規制強化をめぐり、制度上の“盲点”が物議を醸している。規制はレバレッジに一定の上限を設け、投資家を想定外の損失から守る内容。だが実は、為替変動によっては追加証拠金の差し入れが求められ、「慎重な投資家まで影響を受ける」と懸念が広がっている。 FX業者には数百倍のレバレッジを売りにするところもあり、「一獲千金」を狙う個人投資家が利用している。少ない手持ち資金で巨額の投資ができる一方、運用に失敗すれば損失も膨らむため、資産を失ったり破産したりする投資家が続出。事態を重視した金融庁はレバレッジに上限を設けることを決め、2010年8月から最大50倍、11年8月から最大25倍に規制する。 この規制で注意が必要なのがレバレッジの「定義」だ。取引中の為替の差損益によっては、実質的にレバレッジが変動するが、この