もちろん大日本帝国に対しては、戦時下において抑圧された子供として育った意識もあるし*1、漫画文化への抑圧を知っている手塚治虫*2を師としてあおいだ意識もあろう。 戦争そのものの無意味さという観点からは、あえて超常の存在による日本軍の勝利を描いて、史実における勝利の不可能性を逆説的に演出したSF短編『超兵器ガ壱號』がある。 藤子・F・不二雄SF短篇集 (3) 超兵器ガ壱号 中公文庫―コミック版 作者: 藤子・F・不二雄出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1994/10/01メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 14回この商品を含むブログ (10件) を見る ただ、実際に出兵して現地における日本軍の加害まで知って描写していた水木しげる作品*3と比べると、あくまで後方での苦難の記憶にとどまる。 そこで他の漫画家にない個性をさぐるため藤子F作品を読んでいくと、個人の理想や自由こそ描いても、