『ミッドウェー戦記(上)・(下)』著:亀井宏 「赤城」「加賀」「蒼龍」が被弾。唯一残った「飛龍」の死闘が始まった――機動部隊最後の砦「飛龍」かく闘えり 大東亜戦争が終わって70年近くが経ち、当事者の孫の世代を中心に、戦争を見直す気運がふたたび高まっている。ただ、20歳代で終戦を迎えた若者たちが90歳前後の高齢となったいま、往時の記憶を鮮明に語り得る当事者は、残念ながら多くない。 一例を挙げると、終戦時に残存していた日本海軍の零戦をはじめとする戦闘機搭乗員約3700名のうち、戦後50周年の平成7年、生存が確認されたものは約1100名。60周年の平成17年にはそれが約400名になり、70周年を翌年に控えた平成26年1月現在、二百名ほどまでに減っている。その二百名も、多くは大戦後期に大量養成された若年搭乗員で、真珠湾攻撃からミッドウェー海戦にかけて機動部隊の航空母艦乗組であった戦闘機搭乗員は、た