2014年9月9日更新 2014年9月13日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかにてロードショー “時効”を挟んで激動する児童誘拐事件の捜査と関係者の情念「殺人の追憶」「チェイサー」が興行的な成功を収め、世界的な反響を呼んだ韓国では、これらの傑作に続けとばかりに絶え間なくクライム・サスペンスが作られている。もはや一過性のブームではなく、同国における人気ジャンルの地位を確立したと言ってもいい。その流れを汲んだ「悪魔は誰だ」は、韓国で毎年1万人もの児童が失踪している現状を踏まえた一作。実際にあった事件に基づく実録ものではないが、巧みに練り込まれたストーリー展開から目が離せない犯罪劇である。 物語は、15年前に起こった児童誘拐事件が時効を迎えるところから始まる。長年捜査を担当してきた刑事、そして我が子を亡くし、犯人への正義の裁きを望む母親にとって、このうえない無念の瞬間だ。ところが時効が過ぎ去っ