今季初白星の味に苦みも交じった。先発勝利は2015年8月25日ロッテ戦以来、621日ぶり。故障者続出を受けて急きょ先発に回った身だ。6回途中2失点は十分な仕事ながら、寺原の言葉には先発出身の気概が満ちた。「1勝するのは気持ちいいけど、欲を言えば6回を投げ切りたかった」。2死三塁から初めて四球を出し、福浦の右前適時打で失点。五十嵐の救援を仰ぐ形になっていた。 【写真】篠田麻里子「熱女魂」でワンバン始球式 そこまで淡々と回をこなした。球数77がリズムを物語る。最速151キロを計測したが、剛腕スタイルも今は昔。「余裕というか、幅が広がる。練習しといて良かった」という今季の新球シュートも交え、打たせて取った。バックの好守が続く。先制直後の2回、三遊間深くへの当たりに追い付き遊ゴロとした今宮。「テンポが良かったんで」の言葉に相関関係がうかがえた。 運も呼んだか。3回1死一塁、なぜか二塁けん制のそぶ